第7回
一般教養科目公開講座
於:SAYAKA大ホール
平成25年12月19日
認知症の予防




西松医院 院長
西松 央一 氏

  

講演要旨

残念ながら認知症を100%確実に予防する方法はないとしか言えません。しかし、明るく楽しい熟年ライフが認知症予防の大きな力になることは間違いありません。本日はそんな辺りをお話ししたいと思います。
 

<はじめに>
 エーどうも、ご紹介有難うございます。えーと西松です。あのー神戸の下町の精神科の町医者がなんで大阪狭山市まで呼ばれたのか?ほかに偉い先生はなんぼでもおられるのに、後で人選ミスと反省しはるかもしれませんが、ご紹介していただいた人間ですので、あまり難しく厳しい話は多分出来ないと思いますので、笑えそうなところがあったら笑ってもらったら私も気が楽になりますので、ちょっと位は役に立つことを言いますのでその辺は見繕っておつきあいください。

<「認知症」という用語について>
 病気の名前としての認知症と言う言葉は、以前は使われていなかった。まだ10年も経過してないが、当時は痴呆とか痴呆老人と言う表現をしていた。人間が生まれて成長していき、何かの原因で脳の働きが衰えて記憶の障害とか、認知機能の障害が起こって俗な言い方で“ボケ”いう表現を使うがそのような状態になる病気のことを痴呆と言っていた。これに関して、厚生省の偉い人が「痴呆という言葉には、差別的な響きがあり好ましくない、患者や家族の人が傷つく可能性があり別の言葉を考えたほうがよい」とコメントした。
 痴呆症は認知機能が中心になるので(認知機能が衰える・障害される病気)、痴呆という病気は認知機能の衰える病気だから、認知症という名前にしようという事になった。

<認知症の症状>
 認知症という病気の症状は、以下のように考えられる。認知とは認知機能、物事を理解して得心するか納得して「お〜成る程」とわかる力、後は記憶障害、物覚えの力が衰えてくるのが病気の中心になってくるのです。人間は年をとってくると多少物忘れをします。
 健全な老化に伴うもの忘れは、何をしたかという事は覚えているのですが、内容を詳細に覚えにくくなっている。反面認知症の方の物忘れというのは、やったそのこと、そのものを忘れるという事が多い。

<認知症の原因>
 どんなことが理由(原因)で認知症という病気が起こってくるのか?日本で一番有名な、一番多いと言われているのがアルツハイマー型の認知症です。これの発症原因は、脳の神経細胞が萎縮変性、ざっくりいうと脳の神経細胞が傷んでしまうためにいろんな症状が起こってくる。類する病気としてレビー小体型の認知症、狂牛病、クロイックフルトヤコブ病等がある。もう一つの原因は脳血管型の認知症で脳の血管が詰まったり、小さな出血がおこって栄養やら酸素を送っている脳の部分が傷んで認知症が起こる。

<認知症の予防>
 
100%確実に予防する方法は、残念ながら無い。原因がはっきりわかっているもの、例えば、アルコール性認知症であればアルコールに溺れない、頭部外傷は頭のけがをしない、脳血管性認知症は血管が詰まらないようにすればいい。
 認知症に成りにくくする方法などについて、いろいろな人が研究し、患者の体験などが発表されているが、ある先生が書いたボケないための10か条を照会する。
 1番「悩み続けないようにしましょう」
 2番「楽しみを持ちましょう」
 3番「役割意識を持ちましょう」
 4番「いつも若い気持ちで若い人と付き合う事を積極的に致しましょう」
 5番「生活のリズムをみださないように」
 6番「手を動かしましょう」
 7番「歩きましょう」
 8番「体の健康、体の病気や怪我に用心する。寝込まないように注意していただく」
 9番「お酒、アルコールは飲みすぎないようにしましょう」
 10番「たまには脳の健康診断も受けといていただく」


<笑いの効用>
 生活の中に笑いを取り入れていただく事はいろいろなメリットがある。是非笑って笑顔で過ごしていただくとよい、体の病気を防ぐという上でもいいことがある。人は、体の中に1日に3,000個〜5,000個位のガン細胞が出来ている。ガンにならない人はナチュラルキラー細胞(NK細胞ともいう)が退治してくれる。このナチュラルキラー細胞の活性(元気さ)は笑うことにより活性が高まるので大いに笑ってもらうことがよい、だじゃれ、オヤジギャグなども物事の見方をかえる、発想の転換をする稽古にもなる。


講演のあと西松先生から落語を一席ご披露いただきました


平成25年12月 講演の舞台活花



活花は季節に合わせて舞台を飾っています。


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