平成14度
熟年大学
第四回
一般教養公開講座




於:Sayaka小ホール
平成14年9月19日


 【笑 い の 今 昔】

講師
上方文化評論家
大阪女学院短期大学講師
(社)生活文化研究所理事

福井 栄一 



日本の笑いには
演芸の「お笑い」に尽きない多彩な魅力と底力があります。

我々の先祖が、文楽・芸能・習俗などの分野で育んできた
豊かな笑いの世界をご紹介します。

       


笑いの今昔
そもそも笑いのはじまりは・・・・


「笑い」の始原は、人間の笑いでなく、神々の笑い。

古事記や日本書紀の天岩屋戸神話に詳しい。

○業を煮やした天照大神は・・・
太陽神、天照大神が天岩屋戸を閉じて洞窟にお隠れになり、この世は闇に。
神々は一計を案じ、天岩屋戸の前で宴を催す。

○天鈿女命はすっくりと立ち上がり・・・

天鈿女命の渾身のパフォーマンスに神々は大喝采。
<「咲フ」=「笑う」>

不審がった天照大神が中から少しばかり岩屋戸を開けると待ってましたとばかり、怪力の男神が戸を押し開け、
天照大神を洞窟の外に連れ出した。

笑いの奇祭といえば・・・・


天上の神々の笑いは、やがて、地上の神社の祭事へ。

○金盥を派手に叩いて・・・
榊をもって笑う人の笑いが不十分だと、氏子総代が
金盥を鳴らして警告を発する。

○神面をハチパチと叩いて・・・
また、熱田神宮にも笑いをテーマにした儀式がある。
神主が着物の袖にお面を包んで、布越しに面をペンペンと叩き、皆がオホホと笑うオホホ祭。

上から読んでも下から読んでも・・・・
その年の初夢呪いも一種の笑いで、一年の最初の節分の日に枕の下に宝船の絵を置いて良い夢を見ると一年を幸せに暮らせると言うもので、お金の掛からぬゲン担ぎ。

宝船の添え文の和歌が面白い回文。

【長き夜の、とおの眠りの皆目覚め、波乗り船の、音の良き哉】がそれ、この意味は平仮名にして読むと解る。
(内容意図省略)  
      
失礼ですが、お名前は・・・・

○東西南北、年中無休・・・
○読み方イロイロ・・・


名前にも笑いがある。
  小鳥遊    
  月見里
  春夏秋冬     (読みは意図省略)

下手な横好きを聞かされて、やりきれない場合の隠語に【五色豆】というのが有名。
【まだ
青き、素人浄瑠璃玄人ぶり、赤顔してな声を出す】
本人に気付かれず連帯感を広める笑い。
(この意味意図省略)

笑いの将来・・

○笑いとお笑いの関係は・・・ 

◎今日の「お笑い」(落語や漫才などの演芸)は、狭義の
「笑い」に過ぎない。

◎「お笑い」以外の「笑い」の世界も、豊かで興味深い。

◎差別の笑い、優越感に浸る笑いでなく、共感の笑い、
生きる糧となる笑いを!

    



司会・川口さんのカレンダー9月より
チドリソウ