第4回
一般教養科目公開講座
於:SAYAKA大ホール
平成27年9月17日

生活習慣病予防のための生活の知恵
〜メタボとロコモ〜




帝塚山学院大学 学長
津田 謹輔 氏

  

講演要旨

わが国の平均寿命は男性80.2歳、女性86.6歳となり、本格的な高齢社会を迎えている。
生活習慣病を予防し、寝たきりや認知にならないようにすることが健康長寿である。そのための生活の知恵についてお話したい。

 

本日の話題
 1.高齢社会について
 2.メタボリックシンドローム
 3.ロコモティブシンドローム
 4.1に運動、2に食事、しっかり禁煙 それからクスリ

初めに
 我が国の平均寿命は、男性80.2歳、女性は86.6歳で、本格的な高齢化社会を迎えている。一方、身の回りのことを自分でできる健康寿命は、男性71歳、女性74歳で、平均寿命よりそれぞれ9年、12年短い。健康寿命を平均寿命に近づけることが目標である。
 そのためには、メタボリックシンドロームに代表される生活習慣病を予防し、ロコモティブシンドロームを予防して寝たきりや認知症に成らない様にすることが大切である。
 健康長寿であるその為の生活の知恵について、メタボと、ロコモを中心に話を進めたい。
 高齢化社会について、次にメタボリックシンドロームについて、そしてロコモティブシンドローム(通常ロコモと略されている)の順序で話したい。

1.高齢社会について
 メタボはかなり浸透しているが、ロコモは 最近使われはじめたところである。厚労省はメタボ対策として、「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、それからクスリ」を提唱している。
 人は何歳くらい迄生きられるのか?おおよそ120歳位が、動物としてのヒトの寿命ではないかと言われている。記録では、世界で一番長生きしたのは、フランスのジャンヌ・カルマンさんと云う人が、122歳と164日生きている。実に明治8年〜平成9年迄、生存していたことになる。彼女はチョコレートとワインも楽しんでいたらしい。それと野菜タップリのシチュウとチーズ、これが一つ大きな特徴である。 驚いたのは、85歳の時に、フェンシングを始めたらしい。やって見ようという気力も凄いが、それを出来る体力を持っていたという事で、非常に驚いた。
 最近の研究で、寿命を決定している遺伝要因は15%程度で、85%は環境の要因だという事が分かってきた。その要因とは、食事や運動・メンタルヘルスの様にストレスをどの様に解消するかという事が寿命に繋がっている。だから、毎日の食事や、動くことがその人の寿命に大きく関係する。
 今、男性の寿命が、80歳を超えた。女性は86.6歳になって、世界で一番長生きになっている。どこの国も女性が長生きしている。 どうも男女のホルモンの関係が、女性を長生きさせていると考える。これが平均寿命で、もう一つ平均余命というのがある。70歳の男性は、後何年生きられるか→あと15年は生きられる。何故かと云うと、これは日本の国は男性と女性に分けて、0歳の人・1歳の人.・2歳の人といったように年齢ごとにあとどれくらい生きられるかと云うデーターを出している。
 平均寿命と言うのは、その年に生まれたすなわち赤ちゃんがあと何年生きられるかという数字である。男の子は80年、女の子は86年生きる事が出来る。そのような表でいくと、70歳の男性は後15年生きられる。それを平均余命と言う。だから平均寿命というのは、0歳の人の平均余命の事だと言える。そして健康寿命というのがある。これは自分で身の回りの事を、一人で出来る。食事も出来、自分で着替えもでき、トイレにも行ける。それが健康寿命と言われる。男性の平均寿命は80歳になったが、健康寿命は71歳。女性は86.6歳まで平均寿命が有るが、健康寿命は74歳で、夫々、男性はあと9年間、女性の場合12年間は、男女ともに、身の回りの事を一人で出来難くなる。家族や周りの人に助けてもらう事になる。 だから将来的には、健康寿命と平均寿命を出来るだけ、近づけて行くという事は,誰でも望む事だ。
 今我が国は超高齢社会と言う。65歳以上の人口が、全人口の何%かという事で、高齢化社会とか、言い方をするが、もう今は超高齢化社会になっている。今2025年問題というのが医学だけでなく、色んな分野で言われている。これは2025年には、後期高齢者と言われる75歳以上の人が、4人に1人という時代に向かっている。 昨年の医療費は、37兆4200億円、1人当たり、約37万円を医療費として費やしている事になる。特に高齢者の医療費はこれより高い。何とか下げたい。 そして健康長寿の為の対策は?

2.メタボリックシンドローム・ロコモティブシンドロームについて
 メタボとは、主に内科的な疾患・ロコモとは、運動疾患⇒筋肉や骨・間接などの病気を防いで、寝たきりや、要介護状態を予防して、健康寿命を伸ばす。これを何とか広めて、その対策をしていきたいと、いう事が国の大きな目標になっている。メタボの認知度は現在、7〜8割達成したが、ロコモはこれからである。ではメタボとは、どういう事か、先に長寿の話をしたが、一方どういう事で亡くなっているのかと言うと、日本は明治の初め〜昭和の初めまで、死亡の大きな原因になっていた結核が当時の国民病だった。現在感染症は大幅に減少している。
 反対に増えてきたのは、悪性新生物⇒癌である。3人に一人は、癌で亡くなっている。次ぎに多いのは、心臓の病気で、心筋梗塞や心不全、これは欧米に比べると、まだ非常に少ないが、日本の中では、死亡が第2位である。第3位が脳卒中で、この病気は以前は非常に多かったが、中身が違う。昔は脳出血が主だったが、高血圧、そして塩分過剰。昔の日本人は、蛋白質が少なかったので、血管が脆く、その当時の脳卒中は、血管が破れる脳出血が多かった。それに代わって、今は脳血管疾患の中でも、心筋梗塞と同じく、脳の血管が詰まる病気が増えている。脳梗塞である。一昔前は、朝起きた時手足が麻痺している事が、非常に多かった。今は色々栄養状態も変わって来て、随分減ってきた。小さな血管でも、検査で分かるようになって来た。従来,癌・心臓疾患・脳卒中で、3大死因と言われてきたが、25年度の統計の時に、肺炎が3位になった。従来3位だった脳卒中と入れ替わった。原因は高齢者が増えてきて、肺炎が命取りになることから、増えてきた。肺炎の大きな原因⇒肺炎球菌と云うのが有る。今はワクチンが出来て、1回の接種で5〜6年は効果があるとの事。1度接種されると、安心である。
 もう一つ注意が必要な事は、誤嚥性の肺炎。食べる時に、一寸気管の方に食べ物が入っていく事が有る。これを誤嚥という。特に年を取ると、喉の処で食道に行かず、気管の方に間違って入っていく事が多くなる。よく年寄りが、餅を喉に詰めて(気管の方に入る)窒息死という事が多い。高齢になってくると、食べる時はユックリ食べる事が大切。
 この三つの病気が有るが、癌は別として、心臓と頭の血管の病気は、合わせると、動脈硬化の病気と云える。冠状動脈疾患・心臓の病気は、高齢ほど起こりやすい。これは仕方がない。次に起こり易いのは、今は脂質異常と云われるが、コレステロールとか中性脂肪の高い人、そして普通の喫煙者は、心臓の大きなリスクになる。コレステロール・煙草・高血圧が、心臓の特に重要な、三つの大きな要因になる。そして心電図に元々,異常のある人・肥満の人・ヘモグロビン上昇、これは血液の成分中に、液体部分が少なくなる所謂血液ドロドロに成る病気、さらには糖尿病、こういう病気があると、心臓の病気を起こし、命取りになる。脳卒中は、一過性の脳虚血性発作、これは一時的に脳の血の循環が悪くなるが、大体2〜3時間長い人でも1日位で、元気になったと言う人は、この可能性がある。最近は予防する薬が、出来ているから、一回きちんと受診する事をお勧めする。
 高血圧・心臓に異常があると、脳卒中が起こり易くなる。特に主には不整脈と動脈硬化が有っても、脳卒中が起こる。糖尿病・コレステロール・煙草・ヘマトクリックの上昇、これも血液ドロドロで昔から寝る前にコップ一杯の水を飲むと良いと言われている。就寝中に出る水分を補充する意味で。心臓・脳卒中・コレステロール・血圧・肥満・糖尿病・高血圧・煙草も含め、かなり共通して、身近な処の病気であるという事が分かる。
 アメリカのフラミンガムと言う地域では、毎年健康診断をし、どんな病気になったか、元気か、どんな病気で亡くなったか、毎年調べるだけの研究だが、長い年月、調べるだけの研究で、色んな事が分かってくる。これは非常に有名な研究で、40歳台の男性で、コレステロールと、糖尿病の有無・血圧の高低・煙草を吸うか・心臓が大きくなって居ないかどうか等、4グループに分けている。データーを見ると、全て正常で煙草も喫わない、そういう人でも、心臓の病気を起こすが、そういう人は寿命というか、普通に老化で、起こっているのだろう。何もない人は別にして、1人の人に、色んな危険要因が重なってくると、そのリスクは2倍・3倍でどころない事は、知られている。ところが何故この様に一人の人に重なって来るのか、という事は長い間,判らなかった。それを色々調べていくと、内臓の脂肪が溜まると、これらの病気が全部起こりやすい、という事が分った。
 大阪大学の先生が、中心になって、同じ位の身長・体重・肥満度で、1人は、腹部周囲全体に脂肪が多い皮下脂肪型。1人は肥満だが、体の周りは少なく、腸の間の腸間膜というのが有るが、そういうところに脂肪が一杯溜まっている。内臓脂肪である。糖尿病や高血圧は内蔵型の肥満が多い。内臓肥満を何とかすれば、全部に効くのではないか、という考えが出てきた。それで出てきたのが、メタボリック症候群。だから中性脂肪、善玉のコレストロール・高血圧・糖尿病の血糖など、その前提に内臓の脂肪が,多いのだと判断しようと決まったが、設定後の研究で、女性の腹囲<90cmは、かなり危険な人を、見落としている事が、分って来た。見直しの結果<80cm位になる可能性が有る。

3.メタボリックシンドロームについて
 世界で見ると、肥満や体重オーバーしている人は、21億人という事で、痩せていて問題の人より、肥えていて問題の人が増えている。そして高血圧・糖尿病・肥満が重なると、脳卒中・心筋梗塞を起こしやすい。これはメタボだが、当初は死の4重奏と言われた。今メタボとか世界的な問題になっている。 何故こうなっているのか?脂肪細胞というのは、従来は中性脂肪を貯め込む細胞と言われていたが、実は色んなホルモンを出しているという事も分かってきた。
 中でも脂肪細胞が大きくなってくる。即ち、中性脂肪が、どんどん溜まってくると、悪玉のホルモンが増えてきて、これ等が動脈硬化を起してくる。そして動脈硬化を防ぐホルモンは、脂肪細胞が大きくなると、減ってしまう事が分かってきた。この様に内臓脂肪で、よりはっきりしているのは、メタボの原因だという事が分ってきた。ただ、メタボの人の朗報は、内臓脂肪の方が皮下脂肪より早く減ってくれるという事。これは運動した後に、皮下脂肪と、内臓脂肪を計った時、内臓脂肪の方が随分減っている事が分かる。 皮下脂肪はゆっくり減っている。だから皮下脂肪⇒定期預金型、内臓脂肪⇒普通預金型とよく言われる。内臓脂肪は、溜まりやすく減り易い。
 厚労省は、健康づくりの、国民運動化という事で、「1に運動・2に食事、しっかり禁煙それからクスリ」という事になる。日本人は、欧米人よりは、肥満の程度が軽いし、肥満の頻度も少ない。だから腹回りが85cm/90cm以下でも、安心は駄目。日本人は、メタボでは無い糖尿病や、高血圧等が多い。⇒メタボにとらわれず、健康診断が必要。

4.ロコモティブシンドロームについて
 高齢になってくると、筋力の低下が有る。そしてバランス能力が落ちて来て、膝や足の関節が痛む事が出てくる。これらの結果、転倒して寝たきりになる事が多い。これ等を何とか注意して貰うのに、いかにしようかという事で、整形外科の先生が考え出されたのはロコモティブという用語。ロコモって、一体何だろうか、何処から来たのか?というと、SL=スティームロコモティブの略称で、自分で石炭を燃やし、進むというところから取られた。だから自分の足で、自分が歩けることをめざす。ではどういう事で、自分がロコモティブになっているかというと、筋肉が減る事から、関節や骨が痛んできて、少しバランスが崩れやすくなって、これ等が進んで来て、段々歩けなくなる。立ち上がれないで、要支援・要介護になって来る。これを自分で判断する、チェック方法は?「七つのロコモチェク」 というのがある
 ■片足立ちで、靴下が履けない。
 ■家の中で、つまずいたり,滑ったりする。
 ■階段を上るのに、手摺が必要。
 ■横断歩道を一気に渡れない。
 ■15分くらいを続けて歩けない。
 ■2s程度の買い物で、持ち帰りが困難。
 ■家の中でヤヤ重たい掃除機とか、布団の上げ下ろしとか、重たい物を持つのがやや困難。
こんな事が有ると、ロコモの症状が出始めている。
メタボとロコモは、相互に色々関連している所が有る。これ等が段々と、外出しなくなる要因となる。脳卒中を起こしたりすると、認知症にも繋がって来る。そしてQOL=生活の質、が落ちてくる。ADL=日常生活の行動が、段々落ちてくる。すると、要介護になったりする。これを防ぐために、食事や運動で、防いでいこうとしている。

5.1に運動、 2に食事、しっかり禁煙、それからクスリ
 1に運動:メタボにも、ロコモにも効くし、認知にも効果がある事が分った。そして運動というより、身体活動に変わってきた。これは体を動かす事と捉えてほしい。身体活動は、大きく分けると、有酸素運動と筋トレ(筋肉に負荷を掛ける)この二通りになる。今迄、健康の為には、年齢に合った、有酸素運動が良いと言われて来た。勿論良いのだが、ロコモの事を考えると、これだけでは少し不十分で、少し筋肉にも負荷を掛けるのは、一定の年齢にも必要という事が分かってきた。有酸素運動とは、ウオーキングが代表だが、そこまでしなくても、日常生活はすべて呼吸をしながらやっている。(身体運動になる。)生活活動も含めたのが、「運動身体活動」である。
 *ニート(non-exercise activity themogenesis)(運動ではない、身体活動によって、熱を作る〜熱を放散させる)の意味。例えば、携帯電話は、何処でもすぐに使えるが、昔は電話をかけるには、電話ボックスを探さなければ、かける事が、出来なかった。⇒運動ではなく、必要のために、そういう物が生活活動で、便利になると運動(動くこと)をしなくなる。今は必要だから生活の中で、動きを増やそう。これをニートと言う。肥えた人と普通の人では、生活の中でどう違うかというと、座っている時間は肥えた人が長い。座っている時間をまず減らす事が必要。
 筋肉:普通の男性は体脂肪率約20%、女性で約25%・ 筋肉は約40%・ 骨が約40%位 筋肉は、熱源でもある。寒い時の身震いは、筋肉が収縮し熱を出すから。最近の若い人達の平熱は35度位の人たちが結構多い。やっぱり筋肉の熱が、落ちているのだろう。
 それと筋肉は、第2の心臓と言われ、循環補助の役割をしている。特に女性で、夕方になると足に浮腫みが出る人がいるが、それは筋肉の中に、毛細血管が沢山あり、筋肉が収縮すると、ポンプの作用でその中の血液を心臓に送り返される。筋肉は第2の心臓と言われる、補助作用である。勿論筋肉が落ちたら転んだ時、衝撃が骨まで伝わって、骨折することも有る。筋肉にも種類があり、各々役割が有る。大きくは 1.遅筋(赤筋)赤色をしている。筋肉の収縮が遅いが持久力に役立つ。鮪型(泳ぎ続ける) 2.速筋(白筋白色をしている。酸素がなくても、エネルギーを出す。鯛型 (素早く泳ぐ)
 遅筋は、持久力が有り、スポーツで言うと、長距離ランナー向き・マラソンランナー等。速筋は、早く対応するが、余り長続きしない。短距離ランナー型筋肉は、全消費エネルギーの、60%を使っている。
 *サルコペニア⇒筋肉の量が、減少している。その状態をサルコペニアと言われている。その要因は、加齢による減少。筋肉は使わないと減る。栄養性とか、病気により痩せて来る。大腿四頭筋を維持していく事が重要。特に前面側が先に衰えてくる⇒転び易くなる。だから先ず、大腿四頭筋を維持する事が大事。筋肉の衰えは加速度的に、落ちて来る。
 ロコモテスト
 ■椅子かソファーに座って、片足で立つ訓練。先ず高めから始め、成功すれば徐々に低くしていく。
 ■片足立ちの訓練をする。この時は何か、机とか椅子でも持って、倒れないようにして、片足を床に着けない程度に上げて、これを左右1分間づつ1日に3回行う。簡単だが継続する事が大事
 ■スクワットを5〜6回繰り返す。これを1日に3回行う。
 ■貯筋運動というのも有る。筋肉を貯め込む運動。椅子に座っている時に、足を真っすぐ伸ばすだけ。それだけで、足の筋肉が硬くなっているのが分かる。これは、大腿四頭筋で、膝を曲げ伸ばしたり、階段を上るのに、使う筋肉である。これ等を含めて、厚労省は、健康造りの為の身体活動基準で、(+10)運動と云うのを進めている。
 これは64歳までの人は、1日に今より10分多く歩く。その中で、3メッツ以上すなわち少し強い運動、少し速足の時間も入れよう、と言っている。 座っている時を、1メッツとすると、立ち上がると1.3メッツ⇒普通に歩くと2〜3メッツ⇒少し速足で3メッツ以上の強さを持つ。そういう時間を増やし、1日60分以上歩けたら良い。
 65歳以上に成ると、10分多く歩く。それも難しい人は、座っている人は、座っている時間を10分減らそう。立ち上がるだけでも、身体は少し筋肉を使い、エネルギーを使う。少し速足で歩くだけでも、十分筋トレの、役割をしてくれる。
 東京都の健康医療長寿センターの先生が、猫背にならず、背筋を伸ばし、少し早めに、大股で歩く。これで中程度の運動になる。それを30〜60歳は、1日に20分,これは、1回で20分ではなく、合わせてでもよく1日に20分出来たらよい。75歳以上は、1日、5千歩〜8千歩のなかで、7.5分程度、さっさと歩く事を取り入れたらよい。普通に歩くことは有酸素運動で、エネルギーは、それだけ使うから、痩せるには良いが、然し転ばない様にとなると、不十分で、ちょっと強い運動を入れましょうと言っている。目安として,8千歩で早歩きを20分入れると、高血圧や糖尿病・脂質異常を防ぐのに役立つと共に、転倒防止にも役立つし、メタボの予防にもなる。
 75歳以上では、5千歩で、7.5分速足で、要支援や要介護・認知症にも役立つ。だから少し運動をしただけで、夫々の効果はある。 体という物は、動けば動くほど(+)になる。然しメタボや、ロコモの為には、出来る人は、8千歩で速足20分。75歳以上では、5千歩で7.5分速足すると良い。そして階段も上手に使うと、筋トレにもなる。
 これはメタボにもロコモにも、認知にも効く事例⇒人の頭をMRIで調べると、ストレッチだけしている人と(+)運動をしている人を比べると、(+)運動をしている人は、年を取っても、脳が萎縮するのを、ある程度、防ぐ事が出来る。 だから運動する事は、認知予防にも役立つ。
 食事について:高齢者の栄養としては、現在、一人暮らしの人が増えている。だから糖尿病の人でも、食べる時間が不規則で、朝昼兼用で済ませたり、生活のリズムも変わってきている。買い物に行けない人も、増えている。そして段々と咀嚼機能とか、飲み下す機能が、落ちてきたりしている。男性は、30〜60代と、段々と、体重が増加している、一方女性の場合は、20〜30代は体重が、減少傾向。 この時期の痩せ過ぎは、子供の体重に影響する。現在、日本人の子供の数は、減少傾向。生まれて来る赤ちゃんの10%は、低出生体重児で、2500g未満になっている。そんな子供が40〜50歳代に成ると、糖尿病・肥満・高血圧になり易い。次の代に成ると、影響を受け易い。これを何とかする必要がある。50〜60代以上になると、女性も体重増加となるが、この様に一方では、肥満の人も増えてくる。 高齢者は一方では、BMI20以下と、痩せている人も一定数いる。年齢によって多少違うが、25%程度、4人に1人は痩せている人もいる。やせ過ぎの人の栄養の問題がある。太り過ぎの人は, 腹八分目とか、食物繊維を沢山摂ったり、脂肪分を控えて、正しく食事という事になる。
 ロコモにならない為の食生活とは
 正しく食事という事だが、今の年寄りに、食事の注意点としては、蛋白質とエネルギーが不足している高齢者が増えている。特に、ご飯とかは食べているが、お菜の少ない傾向の人が増えている。こういう人は、当然,筋肉はタンパク質だから、タンパクも落ちてくる。 だから、ロコモにならない為の食生活とは、バランスよく色んな物を食べる。骨という意味では、一つは、カルシュウムとか、ビタミンD⇒干し椎茸、カルシュウムは、乳製品に多く含まれて、非常に吸収が良い。筋肉のためには、蛋白質を、十分取っておく必要がある。バランスの良い食事とは、主食⇒米・パン等。主菜⇒肉・魚・野菜・豆腐・卵が良い。ただ、魚の油は、健康的にも良いが、肉の脂肪は動脈硬化を進める。肉その物は、アミノ酸からいうと凄く良い。 出来るだけ、脂身を避けた肉は食べても良い。卵は割と嫌われているが、黄身の中にはコレストロールが多いが、1日1個位は問題ないといえる.(コレストロールは、体の中でも必要だから、作られているので、むしろ色んな栄養素が含まれている)蛋白質には、体に必要な外から摂らなければならない必須アミノ酸が有るが、体の中で、やり繰り出来ないから、食事で摂らなければ成らない。こんなアミノ酸だが、それが沢山揃っているのが良質の蛋白質・肉・魚・乳製品・卵・大豆たんぱく等。そしてコメの中のアミノ酸には、少しリジンが不足しているが、納豆や大豆製品に多く含まれているので、ご飯とみそ汁、ご飯と納豆、豆腐というのは、蛋白質の上で、物凄くバランスを整えて、良い状態にしてくれる。次に副菜が有るが、食物繊維、微量栄養素。 昔からの、主食・主菜・副菜と言うのは、非常にバランスの取れた食事ということになる。 
 食材について:最近、国で発行されている「食事バランスガイド」がある。スーパーでも掲示しているところがある。
 ”孫たちは、やさしい”
 :豆類 :ゴマ :たまご :チーズ :ワカメ(海藻類) :野菜 :魚 :椎茸 :イモ類 となる。
*そして、和食がユネスコに採用されたのは、「一汁三菜」⇒主食・主菜・副菜と、バランスが取れているという事になる.

最後に
糖尿病は、笑う・楽しい気分でいると、血糖が下がる。楽しい気分でいるというのは、非常に大切。今日聞いて頂いたのが、何かの参考になって、明るく・元気で・生き甲斐のある生活を送って頂いたら、非常に幸いだと思います。




平成27年9月 講演の舞台活花



活花は季節に合わせて舞台を飾っています。


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